写真:furusato-nippon.com/hokkaido/
こんにちは、カニ参謀のオタ助です。
奥さん…。
ちゃんと旨いカニ食ってますか?
お〜…?やっぱりですね…。
鱈場蟹やズワイガニも良いですけど、大切なアイツを…。
忘・れ・て・る・ん・じゃ・な・い・で・す・か?
はい。「毛ガニ」 ですね。
なるほど。確かに鱈場蟹とズワイガニはカニ界の2大スターです。
しかし。
侮るなかれ。
まじで旨いっすよ。毛ガニ。
まさに「カニ界のオンリーワン」です。
その噎せ返るほどの芳醇な香りと栗のように甘い身は、他のカニとは一線を画するものがありますからね。
毛ガニを食べ始めると、本当に話すのも忘れ、長い沈黙になってしまいますよ。
でも。
せっかく美味しい毛がにを贈り物などで頂いても食べ方がイマイチわからないし、そもそも解凍方法や捌き方すらわからないという方も多いはず。
大丈夫です。
まかせてください。
記事タイトルに「毛ガニの食べ方(さばき方)はコレが正解!3つのコツをプロが解説!」とありますが、筆者はジツは昨年1月まで渋谷で料理屋を経営していた正真正銘のプロの板前なんです。(高校も行かずに働き続け、板前歴も23年を超え、もうこのまま料理屋を経営しながら板前で食っていくと思っていたのですが、まさかの頸椎の大ケガで敢えなくリタイヤでございます(笑) まさかこの私がブログで飯を食っていくとは…。)
そんな「頸椎大ケガ板前」の筆者が本日は「毛ガニの食べ方」や「さばき方」を余すところなく紹介しちゃいますからね!
それではさっそく行ってみましょう。
レッツ、KEGANIっ!!
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毛ガニを解凍する
まずですね、そもそも毛ガニを買ったり贈り物として頂いた場合って「凍ってる状態」が多いはずです。
もちろん生の毛ガニをゲットした場合はそのまま茹でてしまえば良いわけですが、そんなことはほとんど無いと思います。
ですのでまずはしっかりと正しい方法で解凍していくことが大切なんですね。
これから解説して行く解凍方法は「生毛ガニを冷凍したもの」でも「ボイル毛ガニを冷凍したもの」でも使えます。
どちらの場合でもこの方法でまずは解凍していきましょう。
「生なのか?」「ボイルなのか?」は殻の色で判断出来ますよ。
生のものはこんなふうに少し茶色がかっているはず。
写真:北のグルメ便
ボイルしたものはこんなふうに真っ赤っかですからね。
写真:口コミカニ通販.jp
さてでは早速解凍してみたいと思います。
毛ガニを購入または頂くとおそらくこんな状態のはずです。
写真:美食市店長ブログ
はい。これは「グレース」と言って、カニを乾燥や冷凍焼けから守っている大切なものなんですよ。
一般販売されているカニというのは、業務用の冷凍庫で(私たちは超冷凍と呼んでいます。マイナス50℃にもなります。)急速冷凍されますが、このとき表面にグレースと呼ばれる薄い氷の膜を付ける処理がされるわけなんです。
まず安心してほしいのは「冷凍品だとしても味が落ちるということはない」ということです。
近年の冷凍技術の進化は凄まじく、活きの良い新鮮なカニ(または新鮮な状態でボイルしたもの)を獲ったその場で「瞬間冷凍」しますのでその鮮度は生のものと遜色ありません。(私たちの自宅にある冷凍庫とは別物です。)
いえいえ。まったく問題ないです。
ただし大切なのは「解凍方法」です。どんなに良いものでもその解凍方法を間違うと台無しですからね。
ましてや「解凍せずに」茹でてしまうなど論外ですので、ここはまず注意してください。
とは言ってもその解凍方法はそれほど難しいわけではありません。
冷凍された生カニを解凍する場合は「室温ではなく冷蔵庫の中でゆっくりと解凍する」ようにしてください。
解凍時間は「大きさ」「カニの種類」にもよりますが普通の毛ガニでしたら「大凡36時間から48時間程度を目安に」なるべく時間に余裕を持って解凍を行うようにしましょう。
はい。室温などで急速に解凍を行いますと、かにの旨みであるエキスが流れ出てしまい、身もパサパサになってしまいます。面倒だからといって、レンジで解凍するなどあり得ませんからね!(破裂して思わぬケガを負ってしまったケースもあります!)
また、解凍するときは乾燥を防ぐために新聞紙やキッチンペーパーで包み、水切り用のバットに置き、さらにビニール袋に入れて頂ければ尚良いです。
解凍が進むとキッチンペーパーなどの包み紙が濡れてきますが、これはエキスの流出ではなく、前述のグレース(薄い氷の膜)処理をしたものが溶け出しただけですので大丈夫ですよ。
加えて、解凍中は「カニを仰向け(お腹が上、甲羅が下)」にしておきましょう。そうすることによって蟹ミソが流れ出してしまうのを防いでくれます。
毛ガニを茹でる(生の場合)
手元のある毛ガニはおそらくすでにボイルされているもののはずですので、茹でることはないとは思いますが一応解説しておきます。
(ボイル毛ガニを再度茹でるのはやめましょうね!旨味が抜けてしまいます!)
カニを茹でるとき一番気になるのが「お湯から茹でるか」「水から茹でるか」ですよね。
これは板前によっても意見が割れるところなのですが、筆者のお薦めは「水から」です。
理由は、沸騰したお湯に生カニを入れてしまうと蟹ミソが流れ出てしまうからなんですね。
どうせだったら蟹ミソも蟹の身も美味しく頂きたいので、ぜひ水から茹でてみてください。
出来るだけ深い鍋で!
蟹を茹でる鍋は出来るだけ深いものを使って下さい。あれば寸胴がベストです。
寸胴でなくても「蟹がすっぽり収まるもの」でしたらOKです。
こちらに塩を効かせた水を張り、蟹を沈めて蓋をし、火にかけます。
塩分濃度についてはお好みですが、効かせすぎると蟹の甘味に勝ってしまいますのでほどほどが良いと思いますよ。水1リットルに対して20g程度にしておくと良いでしょう。
甲羅を下にして!
塩を効かせた水に蟹を沈める際、必ず甲羅を下(腹を上)にしてくださいね。
これは「蟹ミソが流れ落ちてしまわないように」ということです。
こうしておくことで、蟹ミソがゆっくりと固まりほどよい状態に茹で上がります。
茹で時間は小さめのカニで16分〜18分程度、大きめのカニで18分〜20分程度になります。
差し水はしないで!
茹でている最中に「差し水」をしたり、途中で吹いてしまったからといって「弱火にする」のはやめましょう。
鍋に火をかけた最初の段階は強火でも構いませんが、沸騰する直前には一番良い火加減に調節してください。中火から強火あたりが良いと思いますよ。
カニを氷水でしめる!
カニが茹で上がりましたらザルに上げ、氷水で5分程度しめます。
こうすることでカニの身が引き締まりますので、身離れが良くなりとっても食べやすいんですよ。
ただ、筆者は熱々のカニが好きですので自宅で食べる場合はこの段階で食べてしまいます。笑
お店で提供していた時は、このようにキュッと氷水で冷やしてましたね。
毛ガニをさばく
さてでは、毛ガニをさばいていきます。
慣れれば何てことはない作業なのですが初めての方は少しだけ難しいかもしれません。
面倒な方はこんな「超便利」な「食べるだけ」のものも世の中にはありますので試してみてください。(筆者は昨年末こちらを8杯購入しました。笑)
ただし、カニのさばき方というのは基本的にどんなカニでも同じなので覚えてしまうとすごく便利ですよ。(写真は美食市店長ブログさんのものです。とってもわかりやすいですよ。)
まず毛ガニはお尻から持ちます。
毛ガニの脚を切っていきます。
毛ガニの爪も同様に切り離します。
反対側も同様に切り離します
毛ガニの三角の部分「前かけ」を・・・
外します。
毛ガニの「前かけ」を外したら甲羅を・・・
パカッと外します。蟹味噌が出てきましたね。
毛ガニの胴体の方に入っている蟹味噌を甲羅に移します。
「エラ」の部分は食べられませんので・・・
キレイに取り除いてください。
毛ガニの胴体を真ん中から真っ二つに・・・
切ります。
毛ガニの脚の付け根部分にハサミを入れ、切り分けます。
毛ガニの脚の先端部分を切り落とします。
毛ガニの脚に切れ目を入れます。
反対側の脚にも切れ目を入れます。
<画像引用:美食市店長ブログ>
毛ガニの食べ方
さて毛ガニがさばけたところで実際に食べていきたいと思います。
もちろんこのままでもめちゃめちゃ美味しいですし、三杯酢につけたり、酢橘と塩で粋に食べても良いのですが「やっぱり温かいヤツが食べたい!」なんて思いませんか?
ですよね。
しかし、前述の「生毛ガニを茹でた場合」は温かいまま食べられますが、ボイル済みの毛ガニを2度茹でしてしまうと旨味が逃げてしまいますからね。
ここは「炙り」か「蒸し」がお薦めなんです。
そうなんですよね。
もともと美味しい毛ガニですが、せっかくなら一手間かけて更に美味しくしていきたいですもんね。
炙る場合は家庭用の魚焼き器でやってみてください。毛ガニの甘味に香ばしさが加わって最高に美味しくなりますよ。
ただし、焼きすぎると水分が抜けてしまいますので、そこだけは注意しながら中火程度で焼いてみてくださいね。
ですよね。あんまり蒸し器のあるご家庭というのも少ないかもしれませんし、あったとしてもわざわざ出すのも面倒ですよね。
大丈夫です。
めっちゃ良い方法があります。
はい。
冬場になると「寄せ鍋」などの鍋料理はよくやりますよね?
鍋をやるときのスープの量が少ない状態を想像してください。
美味しいスープをいつもの半量程度にして、その上に白菜などの野菜を敷き詰めます。(スープが見えない程度)
それを火にかけ、沸騰したら野菜の上に毛ガニを置き、蓋をして2〜3分程度待ってください。
本当に美味しいですよ。
こうすれば毛ガニの旨味を逃すことなく「温かい毛ガニ」を食べることが出来ますからね。
毛ガニの食べ方 まとめ
いかがでしたか?
本日は「毛ガニの食べ方(さばき方)はコレが正解!3つのコツをプロが解説!」と銘打ち、毛ガニの食べ方やさばき方などを徹底解説してきました。
やってみれば「あー。こんなもんか。」という程度のものですので是非チャレンジしてみてくださいね。
ではまた^^
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